今年つくった伎楽面(左:酔胡王、右:酔胡従)。 |
ですが、伎楽面は奈良時代に東大寺の大仏開眼会などで用いられたもので、平安時代になると廃れてしまったとされています。そこで、「平安京遷都ものがたり」の催しには、平安時代のお面が必要ではないかと考え、急きょ伎楽面の制作と併行して舞楽面を作ることになりました。
早速、図書館に行って舞楽面に関する本を借り、ネットで舞楽面の写真を検索して、陵王と納曽利と環城楽のお面に挑戦することにしました。いろいろ調べる中で、厳島神社や春日大社に伝わる舞楽面をモデルにすることになりました。
まず、写真を見ながら粘土で原型を作りました。
陵王の粘土原型づくり |
次に粘土の原型の上に布を木屎漆で貼りました。
木屎漆今回もニレの樹皮を用いましたが、このニレは財団法人京都市埋蔵文化財研究所の次長さんに調達していただいたものです。この場をお借りして、御礼申し上げます。
布が固まってから原型の土を抜き、木屎漆を盛って細部を整えました。
木屎の表面に下地をして、さらに漆を塗りました。
陵王、納曽利は古色を出すように金箔を押し、環城楽は彩色をして完成としました。
10月21日に財団法人京都市埋蔵文化財研究所の主催で行われた「平安京遷都ものがたり」に、前期にゼミで作ったお面をかぶって参加しました。
装束はすでにブログで紹介された末松先生の担当によるものです。
お面の制作に関することは以上です。