2012年12月7日金曜日

平安京遷都ものがたりと乾漆面づくり

 ゼミで乾漆の伎楽面を作るようになって3年目になります。今年は酔胡王と酔胡従を制作することになりました。そうしたところ、過去に作ったお面をご覧になった()京都市埋蔵文化財研究所の次長さんより、ゼミで作っている伎楽面をかぶって、平安京の遺跡をアピールする「平安京遷都ものがたり」の催事に参加してほしいという、ありがたいお話をいただきました。

今年つくった伎楽面(左:酔胡王、右:酔胡従)

  ですが、伎楽面は奈良時代に東大寺の大仏開眼会などで用いられたもので、平安時代になると廃れてしまったとされています。そこで、「平安京遷都ものがたり」の催しには、平安時代のお面が必要ではないかと考え、急きょ伎楽面の制作と併行して舞楽面を作ることになりました。
早速、図書館に行って舞楽面に関する本を借り、ネットで舞楽面の写真を検索して、陵王と納曽利と環城楽のお面に挑戦することにしました。いろいろ調べる中で、厳島神社や春日大社に伝わる舞楽面をモデルにすることになりました。

まず、写真を見ながら粘土で原型を作りました。
陵王の粘土原型づくり
納曽利の粘土原型づくり
環城楽の粘土原型づくり


次に粘土の原型の上に布を木屎漆で貼りました。
木屎漆今回もニレの樹皮を用いましたが、このニレは財団法人京都市埋蔵文化財研究所の次長さんに調達していただいたものです。この場をお借りして、御礼申し上げます。


布が固まってから原型の土を抜き、木屎漆を盛って細部を整えました。


木屎の表面に下地をして、さらに漆を塗りました。



陵王、納曽利は古色を出すように金箔を押し、環城楽は彩色をして完成としました。



1021日に財団法人京都市埋蔵文化財研究所の主催で行われた「平安京遷都ものがたり」に、前期にゼミで作ったお面をかぶって参加しました。
装束はすでにブログで紹介された末松先生の担当によるものです。



お面の制作に関することは以上です。
当日の様子についてはすでにブログに紹介されたとおりです。

2012年12月3日月曜日

2回生研修旅行(文化遺産コース)

こんにちは。文化遺産コース副手です。
文化財保存修復コースの研修旅行に引き続き、11月25日(日)に、文化遺産コース2回生の研修旅行を実施いたしました。
研修旅行先は大和郡山。
雲ひとつなく晴れ渡り、絶好の研修旅行日和でした。
そんな研修旅行の様子をご紹介いたします。


まず、最初に向かった先は大和郡山城跡。
敷地内を、柳沢文庫の学芸員の平出真宣氏が案内して下さいました。

 
平出真宣氏による丁寧な解説。ありがとうございます。


 
みんな熱心にメモをとったり、写真をとったりしていました。
 
さかさ地蔵と天守閣のあった石垣


みんな、さかさ地蔵をじっくり覗き込んでいました。

天守閣のあった石垣は現在崩れかけているため、現在一般の人は上ることができませんが、
さかさ地蔵は間近で見ることができます。

追手門
水戸黄門などの時代劇の撮影に使われたりするそうです。


柳沢文庫
柳沢文庫では参勤交代について詳しくお話していただきました。
展示等の撮影は禁止されていますが、
授業風景撮影の為、特別に撮影の許可をいただいています。


慈光院

自由散策・昼食を挟んで、昼からは慈光院へ。
お抹茶をいただきながら、ご住職のお話を伺いました。


お茶席から眺める庭園
どうですか、この景観!
山の稜線の少し低くなっている辺りから月が昇る景観は絶景だそうです。
お茶室についての解説を聞く学生、庭についての解説を聞く学生
それぞれ熱心に聞き入ってメモをとっていました。

ご住職や先生の解説を聞いた後、お茶席からの景観を改めて眺めたり
庭園を散策したり。

本堂(方丈)の前は陽だまりになっていて、しばしホッコリ。


最後に集合写真をパチリ。


とても充実した研修旅行となりました。
みなさんお疲れ様でした。

2012年11月21日水曜日

2回生研修旅行(文化財保存修復コース)

みなさん、こんにちは。
歴史遺産学科の事務担当Jです。
京都は今が紅葉の盛りです。
先日洛北の紅葉を見てきましたが、雨にけぶる紅葉が美しかったです。

さて、11月18日(日)に文化財保存修復コースの2回生研修旅行を実施いたしました。
研修旅行当日は雨に降られることもなく、フィールドワークに最適な気候でした。
今回の見学先は彦根城博物館と彦根城、玄宮園、楽々園です。

彦根城博物館では、まず最初に学芸員の青木俊郎氏に博物館概要や古文書の修復方法、
古文書から読み取る歴史などについて解説していただきました。
文化財保存修復コースの学生のために古文書修復のお話を修復前、修復後の写真を
まじえてしていただき、そのお心遣いに感謝しております。

学芸員の青木さんが解説をしてくださいました。ありがとうございます。

学生達もメモを取りつつ、青木さんのお話に耳を傾けています。

青木さんからご説明いただいた後、博物館の展示見学をしました。
学生が熱心に博物館見学をしている様子を見ると、みんなやっぱり
文化財に並々ならぬ興味を持ってるんだなーというのが伝わってきました。


博物館見学後、お昼休憩をはさんで、彦根城に登城です!
大林先生が石垣について熱く語っています。お城好きの血が騒ぎますね~。
彦根城には多くの見学者がいらっしゃり、私達がたどり着いた時には、30分待ちの状態でした。
みんな急な階段をそろりそろりと上りながら、お城の内部を見学し、また外の景色を眺め、
心ゆくまでお城を堪能していました。


お城を後にし、玄宮園および楽々園を見学。
昨年度、文化遺産コース2回生研修旅行では楽々園は修理中で、
修理中の様子を見学させていただいたのですが、今年度は修理後の建物を
拝見することができました。
修理後の楽々園。みんな順番にじっくり見てね。

 研修旅行の最後にみんなで集合写真をパチリ!
研修旅行楽しかったねー!

今回も充実した素敵な研修旅行となりました。みなさん、お疲れ様でした。

2012年11月7日水曜日

「平安遷都ものがたり」時代行列

さる1021日(日)、平安宮大極殿跡を中心として「平安京遷都ものがたり」という時代行列が行われました。歴史遺産学科では、京都市からの呼びかけに応じて伎楽・舞楽衣裳の制作を引き受けて、さらに行列メンバーとして参加しました。前日まで制作に追われる日々でしたので、ここでまとめて成果を報告したいと思います。



9月19日(水)
舞楽装束の裲襠を作っているところ。本来は唐織りですが、今回は予算と時間の都合により、サテン生地で色味だけを表現します。

 

923日(日)
学園祭において学科のブースの展示に使用されました。伎楽の呉女と舞楽の納蘇利です。大きさは実物にならっていますのでかなり大きく、紐を駆使してボディに着付けています。また学園祭中には、着付け体験として何人かの方に楽しんでいただきました。


109日(火)
段々と修羅場を迎えつつあります。ゼミで引き受けていたのですが、もうゼミ生も学年も関係なく手伝ってもらっています。


1011日(木
衣裳制作の主力メンバーです。この日は京都新聞の取材が入りました。また桓武天皇の袍も制作して欲しいとのことで、急きょ生地を買い足して裁縫に励んでいます。


京都新聞の掲載写真は、大学が誇る大階段で撮影されました。新聞では面を外して手にした写真でしたので、ここでは面を着けた勇姿をどうぞ。
右より伎楽の力士・呉女・崑崙、舞楽の納蘇利・陵王、そして桓武天皇(あっ!この御方は!?)です。

衣裳制作の本当の修羅場は最後の一週間だったのですが、そのためか制作風景の写真がありません。最後は連日21時過ぎまで学科のラウンジで裁縫です。
とはいえ、雑談もまじる楽しい時間でもありました。計7着まで仕上がることがわかると、当日は誰が何を着ようかという話にもなり、達成感を感じつつ励んでいました。




「平安遷都ものがたり」時代行列当日

10時に集合し、移動ルートの確認をかねて出発点の京都アスニーに向かいます。
この日は暑さが予想されましたので、面はまだ着けていません。

今日最初のお仕事は、会場受付の横で入場者に対する衣裳解説です。
還城楽も加わりました。桓武天皇も冠をかぶり笏を手にして威儀を正しています。

 
説明を聞いている参加者です。
この日は付き添いやカメラマンとして応援に来てくれた学生達もいました。



この日は他大学の学生も行列に参加しており、そちらでは奈良市からお借りした衣裳を着用していたのですが、余りが生じたとのことで、応援組にも衣裳が配られました。
一気に行列参加者が倍増です。皆嬉しそうです。



行列の出発です。
まずは丸太町通りを横断して、豊楽殿跡の会場へ向かいます。面を着けて歩くのは大変ですので付き添いの学生がいます。また長い裾を持つ役の学生もいます。
今回の企画には、平安宮跡の史跡を市民にアピールするねらいがありますので、行列に参加することも歴史遺産学科の大切な役割です。



豊楽殿跡で催された射礼の儀を見つめる桓武天皇以下の一行。



大極殿跡の石碑の建つ公園では、劇団による平安遷都詔の朗読が行われました。
この時だけ冠を渡して桓武天皇役は交代、他のメンバーは後ろに整列して場を荘厳します。

 

最後の内裏内郭回廊跡広場では、平安風の食事を桓武天皇が試食。その後、皆に食事が振る舞われるという趣向です。

皆が整列して見守るなか、桓武天皇は堂々と一芝居演じきりました。

唐菓子・蘇(チーズ)・赤米が振る舞われました。
大仕事を終えた私たちも。すっかりくつろいでご相伴にあずかりました。





最後に全員での記念撮影。お疲れ様でした。