文化財保存修復演習Ⅰでは京都府舞鶴市布敷地区の弥勒堂と文殊堂に伝わる
仏像2躰をお預かりして仏像の修復技術を学んでいます。
2012年6月28日はその授業の5回目でした。
各々担当に分かれての作業が多くなってきました。
如来の光背の軸棒を新しく補うために彫ることになりました。
元の軸棒は蟻枘の部分が擦り切れて機能しなくなっています。このため光背がうまく立ちません。
形を確認しながら彫り進めていきます。
これは如来台座の框の作業です。
前回の接着時に補たヒノキ材の余分を除去し、砥粉と漆と水を混ぜた
錆を授業外の時間に塗っておきました。
授業時間ではその上からテレピン油を混ぜた漆を塗りました。
トレース作業も仕上げに移っていきます。
立体的なところ、写真からは判断が難しい具体的なところは実物を参考にしながら描きました。
トレース作業班はそれが終わると裳先を彫りました。
山崎先生のご指導をいただきながら彫り進めました。
前回同様、彫りやすい桐材を用いて形を確認します。
如来は右手も欠損しているのでそれを補うために彫る作業も行いました。
のこっている左手の形を参照にしながら形を決めます。
江戸時代の仏像手なので厚みの少ない仏手です。
形を決めたら彫り進めます。授業時間内には完成まで至りませんでした。
今回の作業では時間内に文殊菩薩を接着するところまで予定していました。
しかしいろいろな作業を併行して行っているうちに接着剤のニカワを熱し過ぎてしまい、
それが固まってしまいました。この接着作業は次回までにすすめておくことになりました。
それが固まってしまいました。この接着作業は次回までにすすめておくことになりました。
以上が6月28日までの進行状況でした。
次回作業日は7月12日の予定です。