2011年11月10日木曜日

お茶室の炉開き

みなさん、こんにちは。
歴史遺産学科の事務担当Jです。
暦の上では立冬を過ぎましたが、京都は暖かい日が続きます。
山々が赤く色づくにはもう少し時間がかかりそうです。


さて、11月になると、大学のお茶室も炉開きを行います。
歴史遺産学科の茶の湯の授業「伝統文化演習A」でも、
11月からは風炉から炉へ替えて、茶の湯のお稽古をします。

炉を切るには、畳の入れ替えをする必要があります。
そこで、10月末頃に、茶の湯の授業をご担当いただいている
裏千家の鈴木宗慶先生に、毎年お茶室の炉の準備をしていただいています。
 
まずは畳を炉用の畳に入れ替える作業です。力仕事です。

炉をふさいでいた畳を入れ替えます。

炉用の畳を入れます。畳の配置も決まっています。

畳の入れ替えが終わると、炉に灰と五徳を入れる作業に移ります。
細心の注意を払って灰を整えます。
ひとつひとつチェックをしながら、作業を進めます。

一日がかりの作業で、炉の準備が完了です!!
鈴木先生、いつも本当にありがとうございます。


畳の入れ替え後の最初の授業は、もちろん炉開きでした。
茶の湯の世界では、炉開きはお正月と考えられ、善哉と濃茶でお祝いするそうです。
この授業でも、善哉と濃茶、そして亥の子餅で炉開きのお祝いをしました。
亥の子餅も炉開きの時に出されるお菓子ですね。


1年を通して茶の湯の授業を受けると、室礼やお菓子などで季節感を味わえますね。
すごく楽しそうなので、私も学生だったら受講してみたい授業の一つです。
みなさんも機会があれば、是非受講してみてくださいね。

2011年10月24日月曜日

【文化財保存修復】伎楽面の制作(2011年度)

こんにちは、教員の岡田です。

岡田ゼミでは昨年から、乾漆による伎楽面の制作に挑戦しています。
今年は、2009年にNHKの「阿修羅 天平の謎を追う」で阿修羅像を制作された
愛知県立芸術大学名誉教授の山崎隆之先生にご指導いただき、崑崙と迦楼羅と
波羅門の三つの面つくりに挑戦しました。
ようやく完成し、9月の学科展で展示することができましたので、制作過程を簡単に報告します。

伎楽面とは
法隆寺や東大寺などの大寺院では奈良時代に、法会の際に観客の笑いを誘う、
滑稽なしぐさの演舞がおこなわれました。
このときの演舞でかぶるお面を伎楽面といいます。
現在、正倉院に伝わっている伎楽面には木製と、乾漆製がありますが、伎楽面の
形態上の特徴は、能面などと異なって、頭頂部まですっぽりとかぶってしまう形にあります。

9月の学科展より










 崑崙(こんろん) ▶写真左
崑崙は中国では南方の黒人を指したらしく、他の伎楽面より一回り大きく、
獣耳や牙をもつ異形の風貌に表わされます。鎌倉時代の『教訓抄』という
本によると、崑崙は唐風の美女(呉女)に懸想して、これを追いかけ回した
あげく、力士に懲らしめられて縄で絡めとられる滑稽な役回りだったようです。

迦楼羅(かるら) ▶写真中央
迦楼羅はインドの古代神話に登場する霊鳥でガルーダとも呼ばれ、龍を喰う
とされます。演舞では、「けらはみ」とよばれ、地面の虫をついばむ演技をしたようです。

波羅門(ばらもん) ▶写真右
波羅門とはインドの四姓の最上位を占める階級で、高徳者のことをいいます。
皺の深い上品な老人の顔ですが、演舞では赤ちゃんのオムツを洗う役回りだったようです。



[制作工程]
今年の伎楽面の制作は4月に木組みを作ることから始めました。以下、簡単に工程を説明します。
①木組みを作る。

































②  麻紐布を巻いて、その上にスサを入れた赤土を盛り、大体の形をつくる。

















③ 粘土を盛って顔の細部をつくる。(山崎先生です)















④粘土が乾燥したらその上に離形のために薄紙を貼り、さらにその上に漆とニレ粉を練った木屎で麻布を3回貼る。

















⑤麻布が固化後、漆とニレ粉を練った木屎漆を盛って顔の表情を作る。
















⑥木屎が固化したら、なかの土をすべて取り除く。

















 ⑦土を除去後、もう一度細部の手直しをします。














 ⑧ 細部を表現するため、再度、木屎で成型して完成です。

















 ※おまけ※

















 山崎先生には週に一度大学の講義に来ていただいていましたので、毎週指導を仰ぎ、
先生に面の右半分をつくっていただき、それをもとにして学生が左半分を作るという
繰り返しで、制作を進めました。 
ですが、右と左でだんだんと造形に差が出てしまい、顔がなかなか正面を向かなく
なるので、修正するのに手間取りました。

また、ゼミのみんなは漆を扱うことが初めてでしたので、なかには漆にかぶれた
人も出ました。
それでもみんな、楽しく作業を進め、やっと展示に間に合わせることができました。


「真夜中のJ14実験室」
模造伎楽面


模造伎楽面

2011年10月20日木曜日

【文化財保存修復】2回生日帰り研修旅行

みなさん、こんにちは。
歴史遺産学科の事務担当Jです。
今週末、10月22日(土)には、時代祭と鞍馬の火祭りが行われます。
ちょうどお祭りがお休みの日にあたり、地元の方はもちろん、
観光の方もお祭りを楽しみにされているのではないでしょうか。

さて、先週日曜日は、文化財保存修復コース2回生の日帰り研修旅行でした。
2回生の日帰り研修旅行は、毎年1回、秋頃に実施しています。
通常授業の時間では少し遠くて行けない奈良や滋賀、大阪などの京都近郊に
お休みを利用して、1日かけてフィールドワークを楽しもうという企画です。

今回の行き先は斑鳩・法隆寺です。
法隆寺に入ると、まずは大林先生から今回の見所や建築様式についての
レクチャーを受けて、西院伽藍内、法隆寺秘宝展、大宝蔵院、東院伽藍内を見学。


大林先生が建築様式について熱く語っています

建造物はもちろんのこと、仏像や宝物などの優美さ、技巧の素晴らしさに
学生も先生も惹き込まれていました。 
法隆寺を一通り見終え、時間に余裕があった人達は、少し足を伸ばして中宮寺へ。
美しいたたずまいの菩薩半跏像に、うっとりと見惚れてしまいます。

見学後は研修旅行の記念に、集合写真を撮影。
法隆寺を満喫できた様子。みんなの素敵な笑顔で1日を締めくくりました。
1日お疲れ様。楽しかったねー!

2011年10月11日火曜日

【文化遺産コース】3,4回生中間発表会

みなさん、こんにちは。
歴史遺産学科の事務担当Jです。
街を歩いていると、そこかしこから金木犀の香りがします。
秋も徐々に深まってきている気配を感じます。

さてさて、夏休み明け早々に、文化遺産コースの3,4回生の発表会がありました。
3回生は成果物の中間発表会、4回生は卒業論文の中間発表会です。
夏休みの2ヶ月間で、各自の研究がどこまで進んだかをプレゼンします。

3回生中間発表会風景。学生も先生も真剣。

発表会には文化遺産コースの先生方だけでなく、時には文化財保存修復コースの
先生も参加し、学生の発表を聞きます。
1人発表10分、質疑応答5分の計15分ですが、先生方から多くの質問や指導があったり、
また、今後の研究の方向性を検討したりと、質疑応答は5分では収まりません。
学生も先生方の質問に懸命に答えたり、先生からの指摘をメモしたりと、
今後の研究をより良い方向に進めて行きたいという気持ちが表れています。
発表会の間、教室全体が真剣な空気に包まれます。

発表会が終わると、学生の顔が緊迫感から解放され、晴れやかになります。
屈託のない表情を見ると、みんな全力を出し切ったんだなと感じます。

とはいえ、これで終わりではありません。ここから再出発です。
発表が終わっても、成果物、卒業論文を完成させるべく、学生達の精進は続きます。
長期間、自身の興味分野の研究に没頭できるのも大学生活の醍醐味です。

これからもみなさん頑張ってくださいね。いつも応援してますよ。

2011年9月27日火曜日

後期授業開始!

みなさん、こんにちは。
歴史遺産学科の事務担当Jです。
朝晩はすっかり涼しくなり、過ごしやすくなりました。
暑さ寒さも彼岸まで、ですね。

大学も夏休みが終わり、昨日から後期授業が始まりました!
学生達もハツラツとした様子で大学にきています。

毎年のことですが、夏休みや冬休みなどの長期休暇が明けるたびに、
学生達の顔がしっかりしていくように感じます。
きっと長期休暇を利用して、帰省したり、旅に出たり、またはアルバイトを頑張ったりと、
普段の大学生活ではなかなかできないことに没頭できたのではないでしょうか。
そう考えると、大学時代の夏休みというのは、とても貴重な時間ですね。

なにはともあれ、学生のみなさん、お帰りなさい。
学生達の笑顔をみると、それだけで私たち教職員も元気になります。

またぼちぼちとですが、後期授業の様子などをお知らせしますね。
お楽しみに~。

2011年9月17日土曜日

「学生作品展」展示風景

みなさん、こんにちは。
歴史遺産学科の事務担当Jです。
先日の中秋の名月は、本当に綺麗な満月でしたね。

以前の記事でご案内しましたが、「学生作品展」がいよいよ明日開催です。
歴史遺産学科はゼミごとにテーマを決めて、展示をしています。
展示風景を少しお先にご紹介します。

○文化遺産コース
仲先生ゼミ   生活文化としての庭園を探る-『都林泉名勝図会』の彩色を通して学ぶこと-
五島先生ゼミ 北野牛牛(ぎゅうぎゅう)マップ
末松先生ゼミ 八神社三之鉾講中共有文書の研究
仲先生ゼミは屏風仕立てです。四季を表現しています。
五島先生ゼミは屋台風。天神さん気分が味わえます。
末松先生ゼミは本物の古文書を展示。一見の価値あり!

○文化財保存修復コース
大林先生ゼミ 紙本文化財の繕い技術
岡田先生ゼミ 伎楽面の製作-奈良時代の漆芸技法を学ぶ-
伊達先生ゼミ 京都の剣鉾について
紙の繕いの実演をしています。頑張れ3回生!
岡田先生ゼミの展示です。伎楽面はスゴイ迫力ですよ~!
伊達先生ゼミは剣鉾を作って展示。力作ですね。

また、展示会場はオープンキャンパス会場ともなっています。
普段のオープンキャンパスと同様、ワークショップ・教員相談も実施しています。
歴史遺産学科に興味がある方、卒業生や在校生のみなさん、どなたでも
お気軽に展示会場まで足をお運びください。

なお、開催日時は、9/18(日)・19(月祝) 10:00~19:00、
歴史遺産学科の会場は人間館4階・NA401教室です。


みなさんとお会いできることを楽しみにしています。

2011年9月15日木曜日

敦煌旅行(岡田ゼミ)

まだまだ暑いですね。
教員の岡田です。

この夏、827日から31日まで、学生5人と一緒に駆け足で敦煌に行ってきました。
敦煌の緯度は日本でいえば秋田県男鹿半島あたりにあたります。

西安から敦煌までの地図(『中国地図冊』2008より)


















今回の行程ですが、827日に関空から上海を経由して西安まで飛行機を乗り継ぎ、その日の夜に鼓楼と鐘楼を見学し、そのまま寝台車に乗って翌28日の午後5時に嘉峪関まで行きました。嘉峪関からは車に乗り換え、夜の12時近くにやっと敦煌のホテルに到着です。

西安市内にある鼓楼から夜の鐘楼の夜景(2011.8.27)

嘉峪関からみた万里の長城の終点付近(2011.8.28)



















万里の長城の終点にあたる嘉峪関に到着(2011.8.28)
























29日にやっと、あこがれの敦煌の特別窟を見学し、夜には再び寝台車に乗って蘭州に向かいました。蘭州では甘粛省博物館と蘭州市博物館を見学し、夜の飛行機で西安に戻りました。翌31日の午前中には大明宮遺跡を見学し、昼の便で西安から上海に戻り、その日のうちに上海から関空に戻りました。
車中泊2回、ホテル2泊の強行軍でしたが、特別窟を見学するなど、心に残る敦煌旅行となりました。写真の一部を見てください。

敦煌の石窟前(2011.8.29)

















鳴沙山(2011.8.29)

















 甘粛省博物館見学(2011.8.30)

















西安市内、大明宮丹鳳門遺跡博物館見学(2011.8.31)


















今回の敦煌旅行は、大学院博士課程の金蘭さんと、ご主人の邵振宇さんが企画して下さいました。そして旅行中も、お二人がずっとご一緒して下さいました。記して御礼申し上げます。